さくログ

あわよくばお小遣いの足しににならないかなと画策するライフログ

聴くログ|Hypex NCore NC400パワーアンプの作製

2021年春先に購入したMAGICO A3を購入した。ブーミーな低音が気になって足回りの改善には成功したが、さらにウーファーの制動力を上げて劇的な変化を得るべく、パワーアンプの自作に取り組んだ。
本記事はその記録である。

執筆時点の機材

種別 使用機材
スピーカー MAGICO A3
プリメインアンプ Marantz PM8004
DAC Topping D90 MQA
ターンテーブル DENON DP-500M
カートリッジ DENON DL-103
フォノイコライザー Cambridge Audio CP2
スピーカーケーブル YARBO GY-230A
DAC→プリメイン(RCA) CANARE L-4E6S
フォノイコ→プリメイン(RCA) CANARE L-4E6S
ターンテーブル→フォノイコ(RCA) SAEC SL 1801
PC→DAC(USB) audio-technica AT-EUS1000

NC400とは

オランダHypex社が製造販売しているD級アンプモジュール。 S/Nの高さ、駆動力の高さ、クリアさ、どれを取っても大変評判が良く、気になっていた。 NC400はDIY向けの民生用モジュールだが、OEM向けのバッファアンプを自分で用意する必要があるNC500は、最近だとMarantz PM-10, PM-12に採用されている。 さらに上位機となるNC1200はJeff Rowland社のハイエンドパワーアンプにも採用されていることからも、その性能のお墨付きは十分であろう。

NC400についてはHypex社からケース付きのDIYキットが販売されているが、電源が貧弱なこと、少々割高なことから、私は自分でケースを買って作製することとした。

購入したもの・選定理由

hypex社

NC400本体

https://www.diyclassd.com/product/nc400/11

2個買えば良い。それぞれにNC400→XLR端子への接続線が付属している、

スイッチング電源

3000Wのこちらを1台購入した。 https://www.diyclassd.com/product/smps3ka400/32

1200Wを1台、もしくは600Wを2台でも問題なく駆動する。 しかしデータシートを見ると、120Vでは余裕をもってNC400に電源供給できるが、100Vでは電源がボトルネックとなる可能性が読み取れた。
聴感上も、電源の余裕が駆動の余裕と相関があるといったコメントを当時どこかの海外フォーラムで見つけた気がするが、大した性能差にはならないとは思う。とはいえ、精神衛生上の気持ち悪さが残るのも嫌だったため、1200Wを2台か3000Wを1台で組むことにした。
最終的に、発注当時は1200Wが欠品だったため、3000Wを1台で組むことにした。

接続ケーブル(電源→NC400×2)

https://www.diyclassd.com/product/smps1200a400-onto-2x-nc400-connection-kit/117

1200W電源からNC400×2の分岐ケーブルとして売られているが、3000W電源でも問題なく使用できる。

ソフトスタートモジュール

https://www.diyclassd.com/product/softstart-module/38

AC入力と電源の間にかませると、電源投入時の立ち上がりがなだらかになるモジュール。 通常のOn/Offスイッチを装備すれば不要。
付帯機能として、On/Offスイッチの設置にリレー回路的に使える機能があること、また電源On時に点灯するLED用3.5V電源供給機能がついていたため、面倒を省くために買った。

AliExpress

ケース

WA60 フルアルミアンプシャーシ/純粋なステージ/クラス a アンプ/amp エンクロージャ/アンプケース/diy ボックス|Amplifier| - AliExpress

ケースはアリエクで買った。収まりさえすればなんでもよい。国産が良ければタカチなどで買えば良い。
ケース加工はなかなかにかったるいので、AC電源用インレット、スピーカーターミナル、XLR入力の穴があらかじめ開いているものを選ぶと楽である。
たまたま注文したものにACインレットとスイッチはついていたので、別途購入する必要はなかった。

秋葉原のマルツ

スピーカーターミナル

スピーカー端子 HD-530 _製|電子部品・半導体通販のマルツ

見た目が高級そうだったのでこれにした。

LED

好みの色を選べばよい。

サウンドハウス

XLR入力端子

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/113756/

定番らしいのでこれにした。

XRL→RCA変換端子

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/24906/

当時使用していたPM8004のプリアウトはRCAのみだったため購入した。

ホームセンター

電源ケーブル

ACインレット・ソフトスタートモジュール・スイッチング電源間をつなぐケーブル。800W流しても大丈夫な中から適当なものを選べばよい。

圧着端子

差込形接続端子 FA形 ニチフ その他形状圧着端子 【通販モノタロウ】

こういうやつ。↑の電源ケーブルの接続に使う。適当な大きさを選べばよい。

その他

筆者が買った工具もろもろ。

組み立て

ケース加工

ひたすら穴を開けるだけである。 購入したケースがRCA用の大きさの穴しか空いていなかったため、XLR端子用にリーマーで大きくしたのだが、これがすべての工程の中で一番大変だった。
NC400をはじめとした各種モジュールには固定用のねじ穴が開いているため、その穴に合わせてケース側にも穴を開けて、ねじで固定する。

組み込み

データシートを見たり、NC400キットのマニュアルやYOUTUBE動画を見れば特段迷うことはない。特にトラップもないので、はめられる穴にはまるものをはめればよい。

完成品と音レポ

こんな感じで完成。 f:id:sakunosuke28:20211228181810j:plain f:id:sakunosuke28:20211228181813j:plain f:id:sakunosuke28:20211228182109j:plain

音を出した瞬間、鮮烈すぎて思わずのけぞってしまった。 圧倒的S/N、スピード感、ベールが3枚くらいとれたようなクリアさ、全体的に変な色付けなく数段レベルアップした印象。 駆動力の高さからか、もともとの課題感だったA3のユルい低音はガッチリ引き締まり、量感も少々減った。 A3の性能をやっと引き出せたといういう感じである。

総括

総作業時間5h程度、材料費100kちょいで手に入る音としてはとてつもなくパフォーマンスが高い。前評判通りの音が得られた。